国が白旗を揚げた今、私たちに何ができるのだろう

明石市で開催された「不安な個人、立ちすくむ国家deフューチャーセッション」に参加しました。

経済産業省の次官・若手プロジェクトに携わった職員さんが講師として招かれ、昨年発表された資料の内容と、その後有識者等から寄せられた反響についてのプレゼンテーションが行われました。
(昨年発表された資料はこちら↓
http://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf)

資料は以前から拝読していましたが、個人的にはその後の反響がとても興味深いものでしたので、その一つを紹介したいと思います。

ある学者からの指摘
“資料の中で「人生すごろく」の人生を歩んでいる人たちは、男女を問わず、日本の人口の2割程度だと思う。それ以外の8割については議論されていない。”

つまり、資料中で取り上げている「昭和の日本人の人生」の前提条件が、そもそも日本人の2割についてしか検討されていないのではないか、と問いかけているのです。
プレゼンテーション後の感想共有の時間では、この意見に共感する参加者も多かったように思いました。

少子高齢化に挑むため、政府は「1憶総活躍社会の実現」を打ち出しています。
参加者からは、「国が白旗を揚げた。国の経営能力がなくてこのような状況になってしまったのに、今更国民に頑張れとはどういうことか。」という声も上がっていましたが、その一方で、三権分立の仕組み上、行政を監視する機能を持つはずの国会議員を選出しているのは、私たち国民なのです。

どこかのせい、誰かのせいにできるのであればそのほうが簡単かもしれませんが、事態はそんなに甘くありません。
人口増加時代の仕組みが限界を迎えているのは、誰の目にも明らかです。

東京一極集中から地方創生へ転換し、地域の幸福は地域で実現するよう舵を切った今、住民も職員も一丸となり、地域の課題解決、将来世代にわたる豊かな暮らしの実現に向けて、本気でひざを突き合わせていくときなのではないか、と思いました。

その反面、行政職員以外の方も多く参加するこのような場が実現するようになったということは、将来への危機感が浸透しつつあることを意味していると実感しました。

現実を直視し危機感を共有しながらも、明るい未来を創造するために地域で一丸となれば、人口は減少しても、豊かな未来を築いていけると思います。

そのために、自分に何ができるかを考えるこのような場の重要性が、これからさらに増していくのではないでしょうか。


(ライター:りょうこ)